こんにちは!えんぴつです。
今回もPCPSについて学んでいきます。
第3回目にあたりますので、よろしければ前の2つの記事もあわせてみていただくとわかりやすいと思います。
PCPSの構造について
これまででPCPSが「心臓と肺の補助装置」ということがわかってきました。
言葉通り、PCPSには心臓の代わりとなる「ポンプ」、肺の代わりとなる「人工肺」があります。
あとは血液がめぐらなければ心臓も肺も機能できませんので、血液を巡らせる血管の代わりとなる「回路」があります。
回路があるだけでは体からPCPSに血液がまわせるということではありませんので
体から血液を抜き取ったり、送ったりする必要があり、そのために体と回路をつなげる役割の部分が必要になります。
つまり、体から血液を抜き取るための管⇒「脱血管」(脱血カニューレ)、PCPSから血液を体に送り出すための管⇒「送血管」(送血カニューレ)が必要になるということですね。
この送血管、脱血管ですが、どのように体の中に入っているのでしょうか??
まず思い出していただきたいのがPCPSは経皮的に挿入することが可能な補助循環であるということです。
基本的には皮膚の上から血管に管を針のように穿刺しています。
時にはうまく穿刺することが難しく、皮膚を切開することが必要になるパターンもありますが、まずはじめの選択では皮膚の上から穿刺します。
患者の体にかかる侵襲負荷としては穿刺<切開ですよね^^
次にどこの血管に入っているかということですが、心臓のはたらきをベースに考えていきます。
血液の流れをざっくり考えると、心臓は静脈から動脈へ血液をおくっています。
体循環、肺循環の両方を簡単にみていくと
全身からめぐってきた静脈血⇒心臓⇒肺⇒動脈血となって心臓へ⇒全身へおくられる
というようになりますし、PCPSが心臓と肺の補助のものであると考えると
全身からめぐってきた静脈血{⇒心臓⇒肺⇒動脈血となって心臓へ⇒}全身へおくられる
この{}部分がPCPSの役割となると考えられますね。
そうするとPCPSは静脈から血液を抜き取って、動脈へ送り出すことで機能していると理解できます。
主に選択されるのは脱血管⇒大腿静脈、送血管⇒大腿動脈になります。
患者の状態によって選択される血管が異なる場合があるため「絶対にここ!」というようにはいえませんがほとんどが大腿動静脈をまず選択されます。
遠心ポンプの構造
PCPSの構成要素がわかってきたところで、まず心臓の補助役割をしてくれているポンプについて理解をふかめていきます。
ポンプとよんでいるものは、人工的につくられた心臓の役割をしてくれるもののことであり、「遠心ポンプ」といいます。
構造としては中につくられたプロペラのようなものがあり、プロペラが回転をすることで、遠心力をうみだして、血液を引き込んで、全身へ送り出していくようになっています。
ここの回転がどのくらいあるのかによって血液がながれる量が変動していくのですが、それはまた別の回で掘り進められたらと思っていますので、よろしくおねがいします。
人工肺の構造
肺の補助役割をしてくれている人工肺についても考えます。
人工肺はその名前のとおりに人工的につくられた肺の代わりをしてくれるもののことです。
構造としては細いストロー状の筒が無数に詰まっています。そのストローの中を酸素を含んだガスが流れ、外側を血液が流れるという仕組みになります。
このストローは半透膜のように無数のとても小さな穴があけられており、その穴を介して肺のようにガス交換が行われるようになっています。
正常な肺の場合、濃い濃度の酸素がある肺胞から、酸素の濃度が薄い静脈血へと酸素濃度が同じになるまで移動=拡散をする現象がおきており、さらに二酸化炭素の濃度が濃い静脈血から二酸化炭素の濃度が低い肺胞へと二酸化炭素が移動=拡散する現象がおきています。
これらがいわゆるガス交換とよばれているものですが、おなじことが人工肺でおこっています。
ストローの筒の中が肺胞、外側が静脈血と考えるとわかりやすいですね。
今回はここでおわります。おつかれさまでした!
地道に一緒に勉強をつづけていきましょう。
次回につづきます。