こんにちは!えんぴつです。
今回もPCPSについて勉強していきましょう。
今回で第4回になりますので今までの記事も見ていただけるとわかりやすいかと思いますのでぜひ見に行ってみてください。
第4回はPCPSにおける遠心ポンプの設定について勉強していきます。
構造に関しては第3回のほうで触れていますので、気になった方はそちらを参照していただけると嬉しいです。
(ほんとうは人工肺も一緒にしたかったのですが、とても長くなったので、人工肺は次回にもちこしですw)
遠心ポンプの設定について
前回では遠心ポンプの構造について学びました。今回は構造をふまえて遠心ポンプの実際の設定について学びます。
遠心ポンプのプロペラが回転することによって血液の流れがうまれることはイメージができたと思います。
遠心ポンプが回ればまわるほど、送り出す血液の量はどんどん多くなっていきます。
逆に遠心ポンプが回らなけば、血液は送り出せなくなります。
つまりは、ポンプの回転数によって血液の量が変動するのだということがわかりますね。
そこで、実際どのくらい回転させたらうまく心臓を補助できるのだろうか?という疑問があるかと思いますが
これは〇〇回回転させる、というように決まっているわけではないようです。
想像していただくとわかりやすいと思いますが
体重が50kgの人と、体重が100kgの人とでは同じ回転数で心臓の補助がたりるでしょうか?
1歳の子と50歳大人では一緒でしょうか??
どれも人それぞれですよね。つまり、PCPSの遠心ポンプの回転数はその人にあわせて変えなければならないということなのです。
ちなみに、正常な心臓は1回の拍出で約70Lほどの血液を全身に送っているそうです。
だいたい1分間に60~100回ほど拍出があると考えると単純計算で1分間で約4L~7Lもの血液を送り出しているということになりますね。
PCPSを導入するにあたって、全く基準が無い、というわけではなく
体重1kgあたり1分間に40mlほどの血液供給ができるように設定をしているそうです。
体重50kgの人だとだいたい「1分間に2Lほどの血液供給ができるように設定しよう」ということになりますね。
遠心ポンプについて知っておきたいことがもうひとつあります。
ポンプの回転数が多くなる=流れる血液量が多くなる
ということはわかってきたところだと思います。
しかし、遠心ポンプの回転数が一定であった場合でも流れる血液量が一定であるとはかぎらない、ということがあるのです。
え?なんで?言ってること違うじゃん??となった方。
私もそうなりました。違うの??ってなりますよねw
流れる血液量が一定にならない原因としては、血液の流れが、体の中の血管にかかる抵抗や回路の状態によって左右されてしまうということが関連しています。
こう補足がつくとわかりやすいですね。
血液を送り出す先にある抵抗が強いときは、回転数は一定の場合でも流れる血液量は少なくなる
逆に、血液を送り出す先に抵抗が弱いときは、回転数は一定の場合でも流れる血液量は多くなる
ということなのです。
血液を送り出す先の抵抗が強くなってしまう原因としては、送る先の血液量が多い状態であることや血管の狭窄、回路がまがってしまっていることなどが考えられます。
血管内は見えないパターンがほとんどなのでわからないかと思いますが、回路に関しては目に見えるところになるので
回路がまがっていないか、上に物がのっていないか、血栓などの異常はないか、など定期的に確認ができるといいですよね。
さらに血液流量が変わる原因がありますのでそちらも確認していきましょう。
さきほどまでは血液を「送る」先の抵抗の有無での血液流量の変化を知りましたが、それよりも前の段階である血液を「抜き取る」ときでの血液流量の変化もあるのです。
体から抜き取ることのできる血液量が少なくなってしまった場合、回転数は一定であっても十分に血液流量を保てない状態になってしまうことがあります。いわゆる「脱血不良」という状態ですね。
原因としては、患者の体の血管内に流れる血液の量が少ない状態になっていることが考えられます。主に血管内脱水の状態になっているということです。
その場合はいくら遠心ポンプががんばっても十分に血液を流すことができないため、輸液や輸血での対応が必要となります。
遠心ポンプの回転数が一定でも血液流量は様々な原因で変化しますので、安全に治療ができるようにするためにも血液流量にはとくに注意をしていきたいですね。
今回はこれで終わりたいと思います。おつかれさまでした!
ちょっとずつ難しいところもあるかと思いますが、ざっくりと「こうゆうものなんだ」と理解ができるさわりの部分になれたらうれしいです。
次回は人工肺の設定について考えていきましょう。
ありがとうございました。